H&Lたんぺん
NAOMIKU☆ 雑談最高ランク : 149 , 更新:
今回ちょっとG注意
ゴキ○リじゃないよ!
『暗くて怖い世界に』
『おら、もっと啼けやっ!』
「い"っぁ"ぁ……」
まだ小さかった身体にのしかかる大きな体。
どうして俺が。こんなことなら死んだ方がマシだ。
何度もそう思った。
母親なんて声も顔も知らない。
物心ついた頃からコイツしか居なくて何度も殴られて調教されて、名前なんて呼ばれたこと無かった。
もう耐えられなくて自殺しようとしたところバレてまたいつもの繰り返し。
でも唯一の楽しみがあった。
寝る前に聴く音楽。俺の心の支え。
それでも彼奴にバレないようにしないときっとまた…。
それでも何度も聴いてしまっていた。
『おい、今日も付き合えよ、』
「………嫌だ。」
『あ?誰に育ててもらってると思ってんだよあぁ!?』
正論を言われて黙ってしまう。
それでも、もう、我慢の限界だった。
「お、おれ、もう…嫌だ!」
『大人しく俺にヤられてろ!』
襲ってて来る彼奴。
どうしよう。また同じことが繰り返される。
咄嗟に掴んだ干されていた包丁を刺した。
『ウガッ…クソ…ガキがッ…!』
刺さったのは頭。
即死だった。
「あ…あぁっ…ぁ。」
頭が冷めてきたら自分がやらかした事に気付いた。
どうしよう…。
警察に捕まって銀色の格子で終わりの人生なんて…嫌。
少しだけでも人の温かさが欲しい。
そう思った時には小さなボロくさい家を飛び出していた。
辺りが真っ暗の夜中、辿り着いたのは工場のようなところ。
目の前が霞む。何日も何も食べていないので空腹の限界と襲ってきた睡魔に勝てず気を失った様にその場に倒れた。
「んっ…」
目を覚ましたらそこは知らない場所。
あの場所の様にとてもボロい。
『…気が付いたか。』
横を見たらモコモコのファーを首周りに付けた黒髪を跳ねさせた男。俺と同じように白く、痩せこけている。
「………。」
『あぁ、俺のことはスモーキーと呼んでくれ。別になにもしない。ここに来たということは何かを背負ってたのが嫌になって来たんだろ。その痣を見たところ、暴行か』
こいつ、何者。
何もかも当てられて下を向いた。
掛けられた薄い布を握り締めた。
「大丈夫、俺達は『家族』だ。絶対に何があっても守る。」
肩を持って説得させられる様に言われたけどそんなの、全く嬉しくなかった。
「家族なんて、嫌い。俺のことなにも知らない癖に。同情なんて要らない。」
スモーキーと名乗った男は悲しそうな顔をした。
まぁ、本当の家族でも俺のこと何も知らなかっただろうけど、
『…すもーきー?』
ゆっくり扉を開けたのは赤髪の気弱そうな小さな男の子。手にはマグカップが握られていた。
「ピー、ありがとう。」
ピーと言われた子から笑ってマグカップを受け取った。
それが本当の家族のように見えて苦しかった。
羨ましいと思ったりもした。
「……どうして泣いてるの?」
ピーと言うから言われて気付いた。
「な、泣いてない、」
「泣いてるよ、俺と同じだね、」
「……はっ?」
ベッドに上ってきたピー。
「俺もすぐ泣いちゃうの。それが嫌だった。でもねスモーキーが教えてくれたんだ、泣きたいときは泣いたらいいんだよ。そしたらスッキリして次も頑張ろうって、きっと好きになれるって。だからいーっぱい泣いて?」
その言葉に自然と涙が溢れた。
今まで溜まっていたのが滝のように溢れ出てきた。
「うっうぅ…。ひぐっ、ふえぇ…」
ピーに抱き締められて、その上からスモーキーにピーごと抱き締められて、
これが家族なんだ。
俺が望んでた温かさ、全てここにあったんだ。
「ところで、名前なんなの?俺はピーだよ、」
「えっ…?」
困った。名前なんて知らない。いつも『お前』とか『テメェ』だったから、
「えぇーと…」
「無いの?ならスモーキーに付けてもらったらいいよ、俺も名前無かったからスモーキーに付けてもらったの、」
俺と同じ事をされたのかな、と思うくらい何でも一緒だ。
「君は、何が得意なんだ?好きでもいいぞ、」
「う、うーん、俺、音楽が好きなの、ダンスだって踊れるよ。」
俺のたった1つの心の支え。
「そっか、ビートを刻めるのか、」
「ビート…?」
スモーキーから出た聞き慣れない言葉に首をかしげる。
「ダンス踊れるんだろ?じゃあリズムに乗れるって事だろ?よし、お前の名前は今日からタケシだ。」
「「えっ?」」
ピーと二人でキョトンとした。
「ある日見たんだ、ビートたけしって人を、まるで別人格を持っている様ですごい人だ。お前にはその人の様にいい意味で人にもなつけて人にも自分にも厳しい周りに影響を与える輝く人間になってほしい。嫌か?」
ここまで俺のこと考えてくれる人がいるなんて。
勿論反論なんてあるわけがなく首を横に振った。
「よろしくね、タケシっ!俺がタケシの友達一号だ!」
手を握られた、笑顔につられて頬が緩んでうん、と言ったら二人にびっくりされた。
「やっと笑ったな、」
「えっ?」
「ずっと真顔か眉間に皺寄せるかだったから心配してたんだ。よかった。」
そうだったんだ。
全く、ここにいる人達はどんだけお人好しなんだろう…。
あれから何年か過ぎて俺達も共に心も身体も大きくなった。街を守るRUDE BOYSにもなって強くなった。
今でもスモーキーにもピーにも言ってない事がある。
あの日、俺が人を殺したこと。
あれだけはどうしても言えなかった。
嫌われてしまう。流石のピーもスモーキーも犯罪者と共に生きてたなんて知ったら嫌だろう。
それでもいつか言わなきゃいけない時は来る。
ある日、俺は二人を俺が拾われたあの部屋に呼んだ。
あの日から何も変わっていなくて、思わず頬が緩んでしまう。
「…タケシ?」
「タケシが呼ぶなんて珍しいな。しかも俺達だけを、」
二人が同時に来た。
あの時のようにスモーキーが前に座ってピーが横に座る。
「あのさ、俺…」
静寂が広がる部屋、喉を鳴らしたのが二人に聞こえそうになるくらいだ。
「俺、犯罪者なんだ。」
「「…は?」」
二人が声を揃えた。
こんなこと、想定内だ。
「俺がここに来る前日、親父からのDVが耐えれなくて…っ」
スモーキーが俺の前に手をかざす。大丈夫の合図だ。
「ありがとな。言ってくれて。」
微笑んだスモーキーを見たらピーが横から抱き締めてくれた。
「俺達が嫌いになるって思って隠してたんでしょ?バカタケシっ、そんなこと無いよ、どんなタケシだって好き、絶対嫌いになんてならないよ、」
「そうだぞタケシ。今更そんなこと言ったって過去が変わる訳じゃない。それに、その時の思いだってあったはずだ。DVなら余計だ。俺だってタケシの立場ならそうしてたかもしれない。だから悔やむなよ。あの時の判断を。俺達に言うって決意した事も。これからも俺達は家族で何も変わらないんだから。」
その上からスモーキーに抱き締められる。
ここに来たあの時の様に。
昔も今も未来も変わらないでいるなんて、こんなに俺を元気付ける言葉だってこと知らなかった。
「ありがとう…。」
5文字すら言えないくらいに声が裏返って泣いた。
ありがとう…ありがとう……。
それ以上の言葉なんて俺には見つけられなかった。
考えたくもないけど、もし、スモーキーが居なくなってしまったら、俺、スモーキーのようになれるかな…?
新たな表現wDAI語みたいな
玲於パレス⚓️🤟🐷
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俺普通でいいんだけど、
玲於パレス⚓️🤟🐷
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もっきゅんについて語ろうじゃないか、
玲於パレス⚓️🤟🐷 4 2
はーい筋金入りのもきゅたみ、玲於パレスです笑 モトキについて語るだけっ...
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