天使が堕ちるまで２７

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最高ランク : 39 , 更新： 2022/12/30 7:43:06

姉さん、姉さん······。

「はっ!? はぁ、はぁ······あぁ······」

また、同じ夢だ。

俺は、ずっと後悔している。

姉さんが死んだのは俺のせい、俺が姉さんに手を出さなければ。そんな考えが、俺を過去に縛り付け、あの時を夢で何度も見る。

夢は、すごく生々しい。

そのときに考えたことも、姉さんの声も、全て同じ。まるであの時に戻ったような感覚に陥る。

姉さんの死に絶望している俺に、あの時の死神は言った。

『君はほぼ不死身だよ、良かったじゃん』と。

意味がわからなかったが、今はわかる。

神様は、禁忌を犯した者しか殺さない。しかし、例外がある。それは命を差し出されたとき。

命を差し出されたら、神様は見逃す。
禁忌を犯した者に命を差し出せる奴は中々居ないから、この制度は成り立っている。

だから、俺はこれ以上禁忌を犯しても死ねなくなった。

生きている意味がわからない。

姉さんが居ないと生きている心地がしない。

でも、自殺もできない。死神も殺してくれない。

誰か、誰か······。

お願いだ。

誰か······。

「俺を殺してよ」