〖 創作NL小説〗音の記憶は 第1話

小説 音の記憶は
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最高ランク : 67 , 更新: 2017/09/09 6:16:04

6月
雨が降り地面がジメジメした中、傘を指しある場所へ向かう

「ここかな…」

LIVE House&Studio limelight
ライブハウスとスタジオが合体した建物
バンドがスタジオで練習をし、ライブハウスでライブを開催するらしい
私はその中の一つのバンドのマネージャーを務めることになった
専門学校で学んだとはいえ緊張する…
大きな扉のドアノブを握り1度深呼吸する

「よし、大丈夫」

ドアを自分の方向へ引こうとしたが、自分の力ではなく勝手に開いた

「あ、すみません…って惠中さん」

ドアが勝手に開いた原因であろう男性が目の前に現れ、低音の声で苗字を呼ばれる
鳳さんだ…
過去に話し合いでお会いしたことがある

「来てくれてありがとう。俺とは1度会っているが改めて。ドラム担当そしてこのバンドのリーダーをやっている鳳 正一だ。よろしく」

「あ、鳳さん。改めまして、惠中琴音です。今日から宜しくお願いします…!」

良かった…場所合ってたと安心していると鳳さんの後ろから声がする

「え、なになにー?新しい人ー?」

少し高めの声で明るい雰囲気で話しかけられる

「はじめまして!オレはボーカルやってる館花裕太でーす。よろしくっ」

キラキラした目で握手を求めて来る
まるで大好きな有名人にでも会ったかのような反応に少し戸惑ってしまう

「裕太、落ち着いて。ギターの雲川です。よろしくお願いしますね」

優しい声の方だ
言葉使いも丁寧でエレガントな雰囲気に圧倒される

「えっと、惠中琴音です。よ…宜しくお願いします!」

ドラム、ボーカル、ギター…
あれ…?
ベースの人が居るはずだが見当たらない
自分の聞き間違いで無かったら4人バンドのはず

「あの…ベースの方はどちらに…」

「ああ、もう1人なら。」

鳳さんが名前を呼ぶと奥からもう1人現れる
綺麗な顔立ちの少年
年下だろうか?さっきの3人よりかは少し小柄だ

「…誰?」

「マネージャーをつけることになった惠中さんだ。」

「そう…」

一言をぽつりぽつりと呟くように話す
こちらを見つめる目はどこか冷たく、まるで「お前は部外者だ」とでもいうかのように

「今の子がベースの十朱尚くん!恥ずかしがり屋なんだけど慣れればお話もできると思うよ〜」

「あぁ…はい」

いろんな人が居るもんだな…

鳳さん、館花さん、雲川さんに十朱さん
私が今日からこの四人をマネージングしていくのだ
初めての実践経験、緊張で体が固まる

「じゃあ、まずは俺が場所の説明するから、他のメンバーは新曲を譜読みして各自練習」

「あ、はい!!」

「りょーかーい!!尚くん、慎ちゃん行くよ〜」

鳳さんに連れられてライブハウスをまわる
自分はそれをメモして覚えていく
一つ一つ丁寧に説明してくれるのでとてもわかりやすい
すると、スタジオから歌声やギターの音が早速鳴り響く

この感じ…

「どうかしたか?」

「あ、すみません。いい音だったので」

「耳がいいんだな。何か楽器経験が?」

「幼い頃からピアノを…」

「成程」

元々自分はピアノで食べて行こうと思ったが、あまりにも才能を感じられず挫折した
でも音楽からは離れられなかった
少しでも関わっていたい…この知識を何処かで使いたい
その気持ちでマネージャーを志望したのだ
上手く出来ればいいがやはり不安が大きい…
そんな不安を押し殺しながらも建物の説明が終わり、今日の練習が終わった

「今日はここまで。明日からさっき説明した事をやってもらうからまたこの時間に。」

「はい。ありがとうございました」

「琴音ちゃんどうだったー?」

こ…琴音ちゃん!?
いきなり名前で呼ばれてびっくりする

「あ…えっと、頑張ります」

「そんな緊張しなくていいのに〜同い年って聞いたからタメでいいよ?名前も裕太って呼んで!」

「裕太、ガツガツ行きすぎ、困ってるだろう?」

「あはは…」

同い年か…
そういえば皆の事まだあまり分かっていない
どういう性格かによってこれからどう接して行くのかが変わるしそれぞれ飲み物や食べ物は何が好きなのかによって差し入れの種類も変わる
どうやって聞こう…

「惠中さん、まだ皆の事分からないことだらけでしょう。この後予定なければ、皆でご飯でも行きませんか?」

まるで心を読まれたかのように雲川さんがピンポイントの助け舟を出してくれる

「是非ご一緒させて下さい!」

「リーダー」

「ああ」

「オレもいくー!!」

「とあ、ご飯行かないか?」

一番遠い距離に座る十朱さん
そういえば練習も1人静かに譜読みしてた
あんまり集団が好きじゃないのか、少し避けている感じがする

「どっちでもいい」

「じゃあ来い」

「わーい!!尚くんと一緒〜」

こうして皆でご飯を食べに行くことになった

数分歩いて着いたのがお洒落な個室の居酒屋
雲川さんと店員が仲良く話している姿を見て行きつけなんだと気づく
少し広めの個室に案内され皆して座る

「さて、何飲みます?」

「とりあえず生でしょ〜!!」

「裕太は弱いから駄目」

「ちぇー…」

仲いいんだなぁ
こんな光景を見てほっこりする

「惠中さんは何飲まれます?」

「じゃあ、烏龍茶で」

料理と飲み物頼み、やっと本題へ

「琴音ちゃんはマネージャー以外なんの仕事してるの?」

「今は専門学校通いながらで」

「そうなんだー!そこの音楽学校?」

「そうです」

「じゃあ慎ちゃんと正ちゃんの後輩だね〜」

「え、そうなんですか?」

「ああ、俺達も通ってた」

「専攻は違うけれど、バンドの勉強してましたよ」

「二人とも成績優秀だったんだってね〜かっこいい!」

「もう数年前の事だけどな。まぁ分からなければ色々と教えるし気軽に言ってくれ」

「ありがとうございます。」

先輩か…卒業生か…全然知らなかったな
最初は初めてのマネージャーで緊張と不安しかなかったけど、意外と身近な関係でいい人達に恵まれて安心した

「でも皆音楽好きだけど、尚くんが一番音楽の事好きだよね〜」

「そうだな、ずっと細かく譜面読みできるのは とあくらいだな」

「やめてよ…」

十朱さんあまりまだわからないけど
音楽に対する気持ちもしっかり持ってる
いい人だなぁ

「オレ、トイレ行ってくる〜」

「じゃあ、サラダ取ってきます」

雲川さん達が席を外す

「どうだ?こんなメンバーだけどマネージャーやっていけそうか?」

「はい。皆さんいい方達で安心しました」

「まぁライブが近づくと大変だけど、無理せずにやってくれれば助かる」

「はい。頑張ります」

「他のバンドと違って上下関係もはっきりしてるわけじゃないし、仲いいことやってるからそんなに硬くなくていい。何かあれば普通に話しかけてくれればいいし。」

「はい」

「後は、一人で抱え込むなっていうのを皆に言っている。まぁ内容によって異なるが、バンドの事なら尚更抱え込むな。俺らも色んな事情を抱えてるが、じきに自然とわかってくる。皆で解決するんだ。それが俺らのバンド。」

皆お互いを信用しているんだ
だからこんなに仲良く…
そこにこれから私も入っていくんだ

「わかりました。」

「ああ、これからよろしく頼む」


暫くすると二人が戻ってきてその後もいろんな話をして、食事が終わる
お会計は雲川さんがいつの間にか払っていて、奢ってもらうことになってしまった

「すみません、ご馳走様でした。」

「いえいえ。ちょっとした歓迎会みたいなもんですから気にしないでください」

「じゃあ、また明日会おうね〜!!」

「気をつけてな」

「はい。ありがとうございました。」

そう伝えて彼らに背を向ける
初日なのにすごく濃密な時間を体験したと思う
明日から楽しみで仕方がない
遠足の前の日のあのウズウズ感を久しぶりに体験する

「早く明日にならないかな」


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どうも、河合です。

如何でしょうか?

駄文感素晴らしいですが、こんな感じでスパスパ時間を超えて続いていきます

お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、実はまだ『吾輩達はバンドマンである 名前はまだ無い』 状態なんですw
なんでライブハウスの名前はあって、バンド自体の名前が無いのか…
なんかかっこいいバンド名ありませんかね…?

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ではでは♪

河合 創


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